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ここを教えてくれ、という要望(2)

 だがな、病院に行った時の事を考えてみろ。自分の体であっても、患者にどんな判断が出来る? 治療方法が決められるか?
 それと同じだ。御前以上に、御前の状態はよく判ってる。こっちゃ、それくらいの自信をもって仕事をしてるんだ。好きで時間の掛かる方法をとってるんじゃないし、だいたい、その場しのぎの手助けなんて、誰がするもんか。
 ――そんな事を、生徒にハッキリ言ってやった事もある。
 
 コツを教えてくれ、と言われる事もある。だが彼等の言うコツは、私の言うコツとは別物である。
 彼等の言うコツとは、本当は、ただ単なる「やり方」や「解き方」。言い換えると、試験での得点力。それだけのもの。
 彼等は、何かを会得しようとなんて、していない。理解なんか、出来ても出来なくても良い。知識を深める気も、さらさら無い。ただ、苦労せずに明日の試験で点を稼ぐ術を授けてくれ、という事である。虫がいい。
 
 ちなみに私は、学力と得点力を区別して言っている。
 得点力は、学力を土台に構築せよ。学力を伴わない付け焼き刃の得点力は、そんなものには価値が無い。
 
 なお、私の言うコツについては、以下を参照されたし。
勉強のコツ
要点を覚えれば

 


 さて、平成19年4月24日に、全国規模の学力テスト(正式には、全国学力・学習状況調査。対象は小学六年生と中学三年生)が行われた。これを書いている8月の時点では結果は出ていないが、どの程度きちんと学力が測られたのか、気になる。付け焼き刃の得点力が介入しなかったならば良い資料に成っているはずだが、どうだろうか。
 昭和三十年代にも、中学生を対象に全国規模の学力テストが行われていて、しかしこれは得点競争が過熱してしまい、わずか四年で中止されたと聞く。今回は同じ轍を踏まぬように一応の対策はとられているようだが、もし再び、その場しのぎの上手さが競われるようになってしまったら、やはり中止になるのだろうか。
 だが、もしそうなら、世の中で行われている全てのペーパーテストは禁止されねばならない。得点競争が過熱しているからである。
 
 ペーパーテストは、付け焼き刃の得点力に介入され易い。これは確かに大きな欠陥である。しかしそれでも、その結果は学力を反映するものなのだ。かなりの程度。実は、本当に学力の弱い子は、付け焼き刃すら作れない(この事を“詰め込み教育論”においては、「詰め込みに対応できる事は、一つの立派な能力だ」と表現した)。この事実を、私は職業柄、常に突き付けられている。
 そして残念ながら、学力を見る上で、ペーパーテストより優れた方法は今のところ確立されていない。そこで私も実際、新たに引き受ける子に、自作の「到達度診断テスト」を課す。ペーパーテストである。自画自賛するようだが、このテストの結果は、その子の実力を確かに示してくれる。
 
続く

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