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要点を覚えれば

 勉強をするとき、大切な所を――要点をよく覚える。
 これは当然だが、要点‘だけ’を覚える事は愚行である、と言明しておこう。と言うのは、要点の外側(周辺)を知らなければ、要点の要点たる所以が知れないからである。
 
 たとえば英和辞典を引いてみる。見出しに語意(主な訳、と言うべきか?)が整理されて並んでいる。ほとんどの子は、そこだけ見て辞書を閉じる。
 
 愚か者め。例文も読め。
 ちょっと待ってよ。例文もちゃんと読もうね。
 
 語意を暗記すれば、つまり要点‘だけ’を覚えれば充分であるのなら、例文なんて要らない。それをわざわざ書いてあるという事は、その語を理解する為に(覚える為に、ではなく)必要なのである。その例文だって、辞書を作った人は苦労して最小限のものに絞った事だろう。最終的に辞書に載った例文の、いったい何倍の例文がボツになった事だろう。
 
 「辞書どおりに訳しても駄目だ」と、文句を言う人が居る。確かにそういう事がある。これは、辞書が悪いと言えばその通りかも知れない。と言うより、辞書の機能の限界だろう。辞書はどうしても、要点の羅列が中心になる。この事を承知した上で、辞書を用いるべきだろう。
 だから、「辞書どおりに訳しても駄目だ」と嘆く人は、辞書の使い方が悪いとも言える。見出しの訳を、要点を、真に受けるのが良くない。
 そんな辞書の弱点を少しでも補う為に、少々の例文を書いてあるのだ。本当は、あれっぱかしの例文を読んだところで、その語がしっかり理解できるなんて事はない。その何十倍もの例文を読んで、それで初めて理解できる。例文をたくさん読むのが理想。しかし、理想的な量の例文を辞書に記載したら、ただでさえ厚い辞書がトンデモナイものになってしまう。
 だから、中高生諸君、最小限でしかない例文くらい、面倒くさがらずに読みなさい。
 などというお説教はともかく、そうして理解が深まると、辞書どおりの訳が、いかに適切かつ的外れか、よく判る事だろう。
 
 適切であると同時に的外れなのだ。
 語学の学習に限らず、要点‘だけ’を要領よく覚える学習法では、この事には思い至るまい。そうして得た知識が、どれほど誤解だらけで、あやふやで、浅薄なものであるか、教える方も教わる方も承知しておくべきだと思う。
 ついでながら、このような学習法を“詰め込み”と言うのだ――いや、このような学習法こそを“詰め込み”と言うべきなのだ。だから、ゆとり教育を実施中の現在(平成十七年)でも、詰め込み教育は継続中なのである。
 
続く

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