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専門知識と一般常識

 ずいぶん古い話だが、新聞記者がよくこんな事を告白したものだ、と思いながら読んだ新聞記事がある。ある新聞記者が、ある大学教授のもとへ取材に行った時の会話だ。
記者
「専門知識を、噛み砕いて判り易く伝えるのが、我々の役割ですね」
 
教授
「いや、専門知識を噛み砕くのは、私達の役割です。マスメディアは、とにかくそれをキチンと伝えて欲しい」
と、しっかり釘を刺されてしまったそうだ。もっとな話である。
 
 私が大学教授だったら、やはり釘を刺したくなるだろう。端折りに端折って伝えてもらっても、あまり有難くないし、誤解される事が恐い。下手な事になるくらいだったら、いっそ理解できない人だらけの方が良い。判る人だけが判ってくれれば良い。
 かと言って、一般の読者の立場としては、平易な解説が欲しいし、面倒だから要点だけを知りたいと思うのも確かだ。しかし、これは実は相当に我が侭な要求であり、他人に大変な労力を強いているのだという事は、自覚しておくべきだろう。
 また、要点だけを知っている(要点だけしか知らない)事柄というのは、実は大きな誤解を含んだ知識である(知識と呼ぶに値しない?)惧れがある事も、自覚しておくべきだろう。時には誤解でなく、曲解である場合もあり、こうなると危険ですらある。この事は、“論語の恣意的拾い読み”でも指摘している。
 
 専門知識というのは、もともと伝えにくいものなのである。簡単に伝わるものは、一般常識と言うのである。教育においても日常においても、この点はよくわきまえておくべきだ。
 ただし勿論、専門知識を出来るだけ判り易く伝える工夫は、怠ってはならない。そして、判り易くする為には、知識体系を常に整理し続ける必要があるだろうが、これは専門家・教育者の役割だろう。
 しかし自ずと限度がある。学ぶ側は、過剰な期待と甘えを捨てるべきである。
 

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