ここは、アロング家庭教師センターの主宰者が、教育について思う事を書き綴るサイト

アロング家庭教師センターの業務内容等につきましては、本サイトを御覧ください。

問題を解く目的(1)

 勉強をすると、必ずと言って良いほど、問題を解きます。いったい、何の為にそんな事をするのでしょう?
 別に難しい事はありません。勉強した事を理解する為に、です。あるいは、理解を深めて確実にする為に、です。理解できたかどうかを確認する為に、でもありましょう。いずれにせよ、問題を解く事は、物事を理解する為の手段です。当たり前ですよね。
 前回、“速さ”の問題を公式で処理する事(そのような授業)に対して、苦言を呈しました。これは別に、公式を教えるなという意味ではありません。教えても良いのです。ただ、公式に頼って問題を解く事を繰り返しながら、逆に子供が“速さ”の考え方を理解するように仕向けて行かなければ、それは無意味な授業と言わざるを得ません。
 
 しかし、問題を解く事自体を目的にしてしまっている場合が多い、というのが実感です。前々回、前回と登場してもらったKちゃんの受けた授業など、その典型としか考えられませんし。
 また、子供の大半も、問題を解いて答え合わせをして、マルがつけば御満悦、という単純なものです。知りたがるのは、「問題の解き方」ばかり。たとえば平方根を教えると、平方根とは何か(という最も肝心な部分)は理解しようとせず、計算の仕方(表面的な技術)ばかり知りたがります。だから、全く応用力がないし、機転も効きません。「そんな意識で勉強するから、折角やった事がすぐに判らなくなるし、役にも立たないんだぞ!」と、私は年に幾度言う事か…。
 ところが、どうやら私は少数派のようです。学校でも塾でも(特に塾では)、「問題を解くこと自体を目的」とする授業が堂々と展開されている模様です。“理解”は御座なりです。
 
 極端な例ですが、いつかこんな新聞記事を読みました。ある小学校の、四年生の授業参観での一コマです。授業の内容は「四捨五入」です。
児童
「先生、5は真ん中なのに、何故繰り上げるんですか?」
 
教師
「そういう事になってるんですから、そう覚えておきなさい。
そんな事をいちいち考えていたら、いい学校に入れませんよ」
 だったら、いい学校を出た人なんて、信用するもんじゃないですね。それはともかく、程度の差こそあれ、こんな授業は珍しくないはずです。Kちゃんの受けた授業も、きちんと理解させず、「問題を解くこと自体を目的」とする授業だったという点で、差は無いです。
 そしてまた、ほとんどの子は、これに疑問を持ちません。言われた通りにやるとマルがもらえるから、納得しています。そのマルが、その場限りのものか、理解につながっているか……大半は前者です。
 
続く

Previous Top Page Next

当サイト内の画像やテキストを転載する場合は、事前にご連絡ください。
連絡先は、本サイトに記載してあります。
無断での転載は絶対にやめてください。
































































end
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送