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ゆとり教育が始まってみて

 学力低下問題については、一応前回で完結しています。以下は半分余談です。
 


 私の世代も、一世代前と比べたら学習内容が削減されていました。たとえば、私は中学校で三次関数(の初歩:三乗に比例する関係)は習っていません。そのせいで、高校一年生のときの数学の先生は少し戸惑っていました。
 それでも、連立不等式は教わりましたよ。ところが私の下の世代は、連立不等式を中学校で教わらなくなりました。その下の世代(今の高校三年生以下;これを書いているのは平成十七年)は、不等式そのものを教わらなくなりました。
 これは例に過ぎませんが、“ゆとり教育”と明確に言うようになる前から、こうして学習内容は次第に削られて来ていた訳です。その背景にある(あった)ものは、過激な受験競争。受験を突破する事を主眼に勉強する(させる)と、理解を伴わない詰め込みになりますから、これを是正しようとした訳ですね。少なくとも、私はそう理解していたものですから、履修内容の大幅削減などを文部省(当時)が打ち出したとき、最初は素直に、「これから教育を受ける世代がうらやましい」と思ったものでした。
 「あれもこれも」ではなく、「重要な事をしっかり掘り下げながら勉強する(させる)」ようになるのだな、と思ったのです。これが実現すれば、“ゆとり教育”は捨てたものではないですよ。ろくな事が言われてませんけどね。
 しかし実際には、学習内容が削減されると同時に、学校に行く日も削減されました。学校行事は削減されず、授業に“ゆとり”は生まれていません……と、よく言われていますが、私は、制度の問題よりも、教師の資質の問題が大きいと思っています。
 たとえば数学で、三平方の定理を教わったとしましょう。どうも、定理の内容や意義はサラリと済まされて、「計算方法」に時間が割かれているフシがあります。試験で問題を手早く解く(解かせる)事が主眼だから、そんな授業になるのでしょう。でも相当数の子は、内容や意義が充分に理解できていないから、どんな場面が三平方の定理の出番なのか、そもそもそれが判断できないのです。何にもなりません。結局、単なる受験の為の指導から脱却できていない(受験の為の指導にもなってない?)教師が多いように見受けられます。
 こうして、相変わらず、“充分理解できている子は一部に過ぎない授業”が続いているようです。これを是正して、落ちこぼれ(または落ちこぼし)を無くす為の“ゆとり路線”だろうと、私は(勝手に、かも知れないけれど)期待したのですけれど。
 その意味では、学習内容は減らさずとも、“ゆとり路線”は実現可能だったような気がします。問題の在り処を、見誤ったのでしょうか。理解できないのは、量よりも質(授業内容)の問題。当たり前じゃないですか?
 加えて、年齢で単純に学年を区切る事も問題だという気がしますが。
 

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