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読み書き計算、その前に(1)

 学力の基本は、読み・書き・計算だと言われます。でも昔は、読み・書き・ソロバンと言ってませんでしたっけ?
 まぁ、それはともかく、私の実感は少し異なります。
 
 聴く・話す――これを軽視してはなりません。
 特に私が気にしているのが、話す能力。言いたい事、訴えたい事をキチンと言葉に出来ない子が多いのです。小学生が、ではないですよ。中学生や高校生が、です。まるで幼稚園児と話をしているかのように錯覚させる中学生、高校生。多いです。
 そういう子の話し方の特徴として、まず挙げられるのは、指示語が多いという事です。「あれ」、「それ」、「こんなふうに」……。
 「あれって、何?」、「それって、どれ?」、「こんなふうって、どんなふう?」と、私はいちいち聞き返します。だいたい通じていても聞き返します。だいたい通じているからと言って許していたら、いつまでも進歩も成長もしませんから。
 指示語が多くなる原因は、一つには語彙不足です。語彙不足は、それだけ認識している物事が少ないという事です。
 
 人は、特別に認識すべき物事に、言葉を付します。と言うより、言葉で表現できる物事は、人がハッキリ認識したものです。だから言語が異なると、世界の認識のしかたが異なります。言葉にならないものは、その人にとって存在しないものです。とまで言うと言い過ぎかも知れませんが、少なくとも、言葉にならないものは、その人にとって判然としないものです。少なくとも私は、言葉で表せないけれど存在するものを、何も挙げられません。もし無理に挙げようとすれば、言葉に成ってしまいます。何か新しい事を学ぼうとすれば、新たに言葉を覚えます。
 従って語彙が少ない子は、その分、認識しているものが少ないと考えられます。知識が少ないとも言い換えられます。学力に影響します。
 
 この意味で、数年前(現在は平成十七年)までの中三数学の教科書は、馬鹿げていました。
 「内接四角形の定理」と「接弦定理」を扱っていたのですが、なんと、「円に内接する四角形の定理」だとか「接線と弦のつくる角の定理」などと書かれていて、定理名を覚えなくて良い事になっていました。覚えるべき用語を減らし、記憶への負担を軽減しようという親切な取り計らいだったようですが、小さな親切大きなお世話を地で行ってますね。これでは、

名前は無い

特別に認識するべき事ではない

どうでもいいことだ

覚えなくてよろしい

と言っているようなものです。私は逆らって、生徒に定理名を覚えさせていました。
 
続く

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