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世の中の約束事（1）

「やま」を象って“山”なる字が出来たと言いますが、さて、逆にこの字を見て「やま」を連想できるでしょうか？ 　 　私には出来ません。むしろ、魚を捕るときの「もり」を連想します。かと言って、もちろん私は“山”を「もり」であると主張するつもりはありません。それは、冗談としては面白くても、本気で主張すれば馬鹿呼ばわりされて終わりでしょう。 　 何故？ そういう歴史をもつ字だから。 歴史？それ以上の理由はないの？ おそらく、ない。 “山”が「やま」である論理的必然性は、ないの？ おそらく、ない。 それでどうして、みんなが“山”を「やま」だと思ってるの？ そう教わるから。 それだけ？ それだけ…。 　要するに、“山”が「やま」である事は、世の中の約束事なのです。約束事だから、破る事もできます。しかし、破れば世間と食い違います。知らなければ、やはり世間と食い違います。 　 続く

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